Amazonが、PayPalの分野への進出を計画している。新しい報道によると、顧客と企業の間の仲介役として、サブスクリプションベースの決済手段を提供する見込みだという。
電子小売大手Amazonは米国時間6月9日、小規模企業と大規模企業の両方を対象に支払いと取引処理の間の仲介役として機能する、新しいサービスを発表する予定だとReutersが報じている。Amazonのセラーサービス担当バイスプレジデントを務めるTom Taylor氏はReutersとのインタビューで、この取り組みは「Amazonが支援してくれると人々が考えるであろうサービス範囲を拡大する」という同社計画の一環であると述べた。
このサービスの開始は、eBay傘下のPayPalにとっては悪い知らせかもしれない。ウェブ上の膨大な数のサイトや企業が、PayPalによる決済を支払い方法として顧客に提供している。これらの商取引は、消費者がクレジットカード情報をPayPalに保存し、同サービスを介して現金を支払うことによって処理される。PayPalは、取引に対する手数料を徴収する。
Reutersによると、Amazon独自の決済サービスでもほぼ同様の処理が行われるという。Amazonにクレジットカード情報を既に保存している顧客(合計2億4000万人を超える)は、Amazon決済ボタンで、支払いができるようになる。Amazonに情報が保存されたクレジットカードから現金が引き落とされ、取引が完了する。
Amazonは、携帯電話会社Tingといった数社の新興企業とともに同社の決済サービスをテストしている。この取り組みの中心は、サブスクリプションベースの決済システムだが、理論的には他のあらゆるものに適用することができる。PayPalと同様に、取引ごとにAmazonが手数料を徴収する。
この決済システムを立ち上げるには、Amazonは企業と提携し、この決済処理に対応してもらう必要がある。これまでにどれだけの数の企業が、このサービスに契約済みなのかは明らかではない。
PayPalやAmazonのサービスは、安全性がますます懸念されるこの世界にいくらかのセキュリティをもたらす。PayPalやAmazonの決済ボタンを導入することにより、無名な商業者でも、知らない企業にクレジットカード情報を渡したくないと考える顧客に対していくらかの安心感を与えることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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